クリスタに画像生成AIパレットを搭載
筆者も愛用しているペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」が昨今大きな話題となっている「画像生成AIパレット」を搭載すると発表し、注目していました。
12/6(火)に無償公開するVer.1.13.0で「画像生成AIパレット」の試験的な実装を予定しています。
— CLIP STUDIO PAINT(クリスタ) (@clip_celsys) November 29, 2022
今回の実装にあたりセルシスはユーザーデータをAI学習用に一切提供しておらず、今後もユーザーの明確な同意なしにデータを収集・利用することはありません。https://t.co/rhjDfSFuRo pic.twitter.com/hACKPxPtkB
CLIP STUDIO PAINTに「画像生成AIパレット」の試験的実装を予定しています
用途としてはイラスト・漫画・アニメーションに利用されるクリスタらしく、背景画像としての活用を例として示していました。
ただ、11月29日に告知された内容にちょっとした違和感を感じたんですよね。これはTwitterのリプライ欄でも指摘していたクリエイターの方がいました。
3. 画像生成AIによって生成された画像、およびそれを使用して制作された作品について、セルシスは用途を制限しません。 また画像生成AIを利用せずに作品を制作する場合と同じく、画像生成AIを利用して作成された画像や作品が他者の権利を侵害しないことをセルシスは保証できません。 画像生成AIを利用するしないにかかわらず、作品制作にあたっては、他者の権利が侵害されることのないよう、ご自身で法律/モラルの両面からご留意ください。
「画像生成AI機能の利用によって他者の権利を侵害しないことを保証できない」ってところがひっかかりました。いえ、AIの学習において作品を利用することが法的に問題ないことは知っています。が、映画等の公開を予定している作品にこういった不安要素のあるツールを使うのって制作サイドは了承するのかなって思いましてね。
Twitterのリプライ欄では様々な意見が出ていたわけですが、肯定派も批判派もどっちもいらっしゃいましたね。どちらかというと海外の方がより否定的だったかな。あちらはNFT関連のこともあって拒否反応があるようです。
発表後、数日で搭載中止を発表
というわけで画像生成AI機能の搭載発表から数日経ったわけですが、本日同機能を搭載しないことが公式サイトで告知されていました。
CLIP STUDIO PAINTへ画像生成AI機能を搭載しないことといたしました
11月29日にお知らせした「画像生成AIパレット」の試験的実装の予定について、皆様にご不安・ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。
「画像生成AIパレット」は、皆様に新しい創作の体験をしていただきたい、という想いで開発を進めてきましたが、体験していただく以前に必要な配慮が欠けていました。 セルシスは、画像生成AI技術をどのように創作活動に活用できるかにとらわれ、創作の道具としてCLIP STUDIO PAINTをご利用いただいている皆様の気持ちに寄り添えなかったことを反省し、お詫びいたします。
一連の流れを見ていて思い出したのがこちらの記事でした。mimicも当時はずいぶんと炎上していましたよね。
上記の騒動を思い出して今回のクリスタの告知を見直すと、
「画像生成AI機能を搭載するから使ってもいいよ。でも倫理問題とかありそうだから自己責任ね。いろいろと注意事項は描いておいたからあとはよろしく」
みたいな感じに読めて、そりゃ拒否反応示す人もいるよなぁと思った次第です。
時流に乗ろうとしたんでしょうけど、絵を描く側の気持ちに寄り添っていなかったようです。
筆者としては特に画像生成AI機能を否定する気持ちはなく、制作作業の負担を減らすことができるならと考えていたんですが(背景描くの苦手だし)、AIの学習には法的なことはクリアしていても倫理上の問題もあって、なかなか採用が難しいのかな、とも思いました。
補足
クリスタは来年バージョン2.0の発売を予定しており、有料アップデート化されることが注目されています。(こっちも売り切り派とサブスク派で賛否両論なんですが)
CLIP STUDIO PAINT バージョン2.0の提供開始予定・価格・新機能のお知らせ
こちらの対抗馬というか、売り切りモデルで人気があるのがProcreateです。
iPadで利用できるアプリなんですが、鉛筆描きとかブラシとか非常に描き心地が良いです。
イラストメインであればProcreateに乗り換える人もいそうですね。
というか、クリスタの料金形態が複雑なんだけど...。どうしようか。(;´Д`)<メンドクサイ
2023年以降のWindows / mac OS 一括払い(無期限)版の提供・販売方法変更予定のお知らせ
お絵描き環境はiPadとApplePencilの組み合わせが一番お手軽だと思います。